風邪を引いて熱が出た時、冷たい物の食べ過ぎでお腹をこわした時、よく内科に行くように言われますが、数多くある病院の科でどうして内科になるのか、違いを理解している人は少ないようです。外科との違いは何か、どんな病気ならどこの診療科にかかればいいのかといった違いを考えてみます。外科は手術をするイメージがありますが、まさにその通りで、病気や怪我を手術によって治療することが目的とされ、腹部などを切開して治療する行為がこれにあたります。対して内科とは手術による処置を行わない方法で、薬物療法や食事による治療を目的とした臨床医学で、各種臓器、器官の疾病を診断して治療を行う診療科となります。
古来の医学では薬物による治療でしたが、手術による治療が行われるようになると、その方法を外科と呼ぶようになり、残った医学の分野を内科と呼ぶようなったのが始まりです。最近では診療科は細分化されて色々な科目に分かれていますが、風邪程度であれば、内科と名の付く診療所で診てもらえます。糖尿病や高血圧症といった循環器疾患に対する症状であれば循環器科、息切れや呼吸困難、喘息といった呼吸に関わるものは呼吸器科となります。また心臓などの臓器、器官が薬物による治療が困難とされ、外科的手術を必要とした場合は、心臓外科などの専門の診療科での治療が行われます。
その他にも消化器、神経、血液、内分泌といった各部位の診療科があるので、対処疾患の部位や症状がある程度分かっている場合には、選択して受診することで専門医による治療を受けることができます。