がん検診の目的は、がんによる死亡率を減少させるために早期発見することですが、それには有効かつ正しい健診を実施する必要があります。そのために、健診に関する情報を収集して分析し、解決すべき問題点を把握する「健診アセスメント」が、平成11年3月より過去3回にわたり研究者の間において評価が行なわれています。この有効性が確立されたがん検診を正しく行うためには、「受診率対策」と「精度管理」が重要課題となっています。日本においてのがん検診の受診率は10%~30%ととても低く、欧米諸国と比較してもかなり低い割合となっており、さらに地域によって管理体制の制度に差が生じているのが現状です。
それを解決すべく、欧米を参考にして我が国の受診率と精度管理を向上させる対策が検討されています。がんに関する検診は昭和58年より実施されていますが、その中には科学的根拠のない方法もあり、有効性を評価できないため国民の健康改善に大きな影響と損失を与える可能性があります。それを回避するため、信頼性の高い研究方法によって検診の効果が認められることで、検診する側の個人的価値観や医療従事者の個人的見解などが介入することがなく、不敵切な評価がされるということがありません。それが有効性評価であり、がん検診において重要なことと位置づけられています。
検診の有効性を評価するためには、がんによる死亡率が評価の指標となり必要とされています。がんによる死亡率が減少したことが結果として証明されることで、その検診の有効性が立証されることにつながります。このように、がん検診ではその方法の有効性評価を持って実施される必要があり、それにより受診率向上につながっていくのです。